【大嫌いになれるから大好きになれる】 タロットに聴く人生のヌケミチ「隠者」27/78

「大嫌い」と「大好き」これって１つのもので出来ています。

そういわずとしれた「愛」ってやつ。

私のこれまでの「人生」の中で、だいたい長くつきあったりする人（つまり大好きな人）は、だいたい「大嫌い」にもなる時期があります。

「大嫌い」ってのは大抵、その人に問題があるから大嫌いなのではないのですね。要は私の思い通りでないから「大嫌い」になるのです。

「大嫌い」という感情を使って、「大好き」な自分を否定しようとするのです。

つまり、本当は大好きで受け入れて欲しいのに受け入れられないと怖いので「大嫌い」になるんです。

自分から伏線を引いて「大嫌いになる」

この感覚わかっていただけますでしょうか。

大事な舞台の本番前に逃げ出してしまいたい・・・っていう感情と私は似ているように思います。今よりも素敵な自分になる舞台があるとそこからクルっと回れ右！をして引き返したくなるあの感覚です。

失敗して傷つくぐらいなら自分から相手や未来を捨ててしまう、ということなんですよね。

そこにあるものが欲しいものであればあるほど、大好きであればあるほど「要らない！」「大嫌い！」ってなってしまう感じです。

失うよりも、自分からちゃぶ台返ししたほうが傷着かずに済む･･その方が、私の感情が安全と感じてしまうのです。

そしてなぜか私ね、なぜかこの「隠者」というタロットカードをみるとその感覚を思い出してしまうのです。

「探求」「真理をみきわめる」「慎重さ」というキーワードをもつこのカードの象徴的には全く異なる感覚なのですが･･･。

というよりも、「大嫌い！」「要らない！」っていう感情が湧いてきたと同時にこのカードを思い出す、といったほうがいいかもしれません。

だから「大嫌い！」「要らない！」という回避的な感情を味わい、超えた先にこのカードがあるのだと思うのです。

そう･･･なんか深くて深遠なるものはその先にあるような気がしているのです。その深遠なものはきっと私にとって素晴らしい道なんだけど「怖い」と思い込んでいるんですね。

実は自分にとって大好きで、素敵なものの側には「怖い」っていう感情が少なからずついてくるんですね。それが普通なんです。悪いことでも何でもない。

だから、怖くてもいいじゃん、ってことでいいんですよ。

隠者は道を歩むことを怖がっているようには見えません。

きっと彼の歩んでいく道は明るくもないし、険しいかもしれないですよね。

ですので、隠者が持つこのランプは「愛」そのものなんですよね。

「大好き！」っていう気持ちなんだと思います。

歩いて行く道がどんな道か？より
どんな真実を照らし合わせていくか？ってほうが大事なんですよね。

話しはさかのぼりますが、その昔、私はサウンドクリエイターという仕事をしていました。ゲーム会社の社員ですね。その頃は人気のある職種でした。でね、毎日たくさんの作曲作品が収められたデモテープが送られてくるのです。新卒募集の時期なんてそりゃもう山ほど。

で、その音源を現役サウンドクリエイターは片っ端から聴いていくわけですが、こういう指令が上司から出ます。

「君が一番好きな作品だと思うテープを５本、これは絶対にキライというのを５本ピックアップすること、後は不合格の箱へ。。。」

＜完成度が高い、低いで分けるのではないというのがポイントなのです。大好きな作品と、大嫌いな作品に分類せよということです。＞

ね。面白いでしょう。この方法でふるいに掛けていくわけです

(私もかけられたのだな）

で、残った数人が合格者となるという仕組みです。

大好きでも大嫌いでもない作品は没です。「なんかいいねー」ではダメ。

私、その時思いました。

「大好き」「大嫌い」これは開花のエッセンスなのだな、と。

てことは大嫌いになってもいいし、なられてもいいのかもしれません。

セラピーで時折、あつかわせていただく
「私なんて死んでしまえば良い」

この感情も同じで、本当は「生きるのが怖い」ということが起こっているのです。自分の手で隠者のようなランプを持つことを忘れているだけなのだと私は思っています。

だから一件絶望的な感情もそうだし、あなたが「大嫌い！」って思っているもの、それはあなたがこの先手にする素敵な何かの前触れなのだと思います。

「怖い」と上手く付き合うことは、人生を上手く歩いて行くことなのだと、このカードを観る度、思い出します。

そして私が目指すのは「空」の世界。

いつ大嫌いになっても、大好きになってもいいな、っていう境地。

いつ大嫌いになられても、大好きになられてもいいな、っていう。

まだまだ程遠いな。。。。ふっ。

でもそれもいいね。

「大嫌い」という感情が少し好きになるからね。

その先を楽しみにしてみようと思うといいかもねー。